ザ・ブランド 環境保護の担い手として
世界初のゼロ・エネルギー使用リゾート、
CO2排出もゼロに


ザ・ブランドは、テティアロアに育まれた文化と自然を尊重し、それを守る担い手であると自負しています。リゾートの立地する環礁を、自然の姿のまま保護し、守り続けることが最大の課題です。このため、ザ・ブランドは周辺の環境に溶け込み、ハーモニーを保つようにデザインされています。島内で使用するエネルギーは、石油や石炭などの従来の石化エネルギーの利用は最小限にとどめ、太陽エネルギーやココナツオイルによる再生可能エネルギーが中心となります。自然ガスの使用は調理のみに限り、Co2排出ゼロを目指します。独自で開発を進めてきた深海水冷却システムも大きな成果を収めています。これらを駆使しエネルギー100%を自給自足し、二酸化炭素排出ゼロで運営する世界初の「ゼロ・エネルギー使用」リゾートとなります。

テティアロアは、ザ・ブランドの建築物に対しLEED認証の最高ランクに相当するプラチナの獲得を目指しています。これがかなうと、リゾートでは世界初の快挙となります。
カーボン・オフセット・プログラムで、Co2排出ゼロへ

島の澄んだ空気と水を守るために、Co2排出量ゼロとなる環境保全を目標にしています。
この中でも交通機関によるCo2排出は大きな部分を占めているため、島内は電気自動車を導入、ゲスト用に自転車を完備します。
タヒチ本島からの交通に関しては、カーボン・オフセット・プログラム(搭乗するフライトのCo2排出量に相当するクレジットを購入することで、それを埋め合わせするというCO2削減プログラムの一種)を適用します。

また、国際線を利用するタヒチまでの交通に関しても、ゲストに同様のプログラムへの参加を奨励しています。

Co2は温室効果ガスといわれているものの主要成分です(これにメタン、オゾンなどが加わります)。
深海水による、画期的な冷房システムを導入

タヒチで始めて実用化された、画期的な海水冷却システムがSWAC(Sea Water Air Condition)です。これは、深海から汲み上げた冷水を冷房装置に流すことで空気を冷却するもの。海底1kmの深海から3〜4度の海水を汲み上げ、それを使ってホテル施設を循環する水を冷却し冷房に活用します。その後温かくなった海水は同じ水温帯に放出するよう設計されています。余剰の深海水は、純度が高くミネラルや微量元祖も豊富なため、タラソスパやプール、浴室に使用します。

SWACを使用した場合、冷房の騒音が少なく冷気の持続時間も長くなります。システムを設置するための初期投資は通常よりかかるものの、通常の冷房システムにくらべエネルギー消費量は9割削減でき、Co2排出もありません。使用した深海水も汚染されることはありません。タヒチのように遠隔地で電力コストが高く、通年で冷房を要するところに適しています。

この海水冷却システムは、1970年代初期にマーロン・ブランドが冷水で生息するロブスターの養殖に導入しようと試みたものです。本人はこのシステムの実現を目にする事はなかったものの、かれのビジョンが引き継がれ、パシフィック・ビーチコマー社のリチャード・ベイリー氏がのちにSWACとして完成させました。現在はインターコンチネンタル・ボラボラ・リゾート&タラソスパで実用化されています。
太陽とバイオによるエネルギーを島内で生産、蓄電

島内で使用されるエネルギーの半分と温水は、太陽エネルギーでまかなわれます。
それは、オネタヒ島の滑走路近くに設置された太陽光パネルによって生産されます。
残り半分のエネルギーは、バイオ熱発電を利用。

これは地元で生産するヤシ油を燃料としており、地元経済にも貢献することになります。
これらの余剰エネルギーは、亜鉛臭素フロー・バッテリーに蓄電されて、必要に応じて使用されます。
亜鉛臭素フロー・バッテリーは、通常のものに比べ、繰り返し充放電を行うことができ、長持ちする上、レアメタルなどの希少資源を必要としません。
安全性とサステイナビリティに優れており、次世代のバッテリーとして注目されています。
自然環境の研究機関、エコステーション

テティアロアやその他熱帯の島々の環境保全をテーマに科学調査を行う研究所。
世界各地からの科学者を招聘、ゲストと意見交換、無料見学ツアーなどを実施します。
これは、故マーロン・ブランドがこの島に環境保護を学ぶ大学を開校したいという夢を引き継いだものです。
エコステーションは、宿泊施設と実験室の2棟で構成されます。
後者は基本的な実験諸施設、研究室、標本などの保管庫です。
運営は、NPOであるテティアロア・ソサイエティが行い、文化・科学の世界的な認識を高め、
熱帯の島の社会・環境システムへの貢献を目指します。
主な活動内容としては、


環境保全プログラム

海亀、鮫、熱帯魚、野鳥、ヤシ蟹などトロピカル動物園ともいえるほどの生物多様性を、海亀クリニック、魚類やミツバチなどの養殖所、海洋文化センターなどの様々なプロジェクトで保全します。
植物、農業などにおいてもモニターリング、保全、改修プログラムを推進します。
多様な生物の一つとしての人間、その祖先がこの島で育んできた文化の継承もプログラムに組み込まれています。


科学者らによるリサーチ

世界各地からの科学者が、サステイナブルな開発の課題となる事柄について、認識を広めるための調査を行います。
テーマは、砂浜の侵食、動物の成育地、気候の変化、ラグーンの現状、など。
また、ロブスター、ヤシ蟹、魚類の生態などを観察する。
定期的に小会議や講演を行うことで、ゲストと科学者、島の自然ガイドらとの交流も図ります。


若者、成人へ向けた教育 

テテイアロア・ソサイエティは、トロピカル・アイランドにおける貴重な自然と文化の知識と価値を広めることを目標としています。緑海亀など海洋生物の保全活動を行うタヒチのNPO,テ・マナ・オ・テ・モアナ(海の精神の意味)との数年にわたるコラボレーションを今後も強化します。テ・マナ・オ・テ・モアナは、地元の政府機関との協力で、若者を始め、広く一般も対象とした多様な教育の場を設けています。また、ポリネシアの大学との交流や、島のゲストや住民との文化イベントや教育プログラムも主催します。
オーガニックな庭、菜園、果樹園の産物を

海と島の自然環境の恩恵を受けているポリネシアには、工業型の農園や漁場などは存在しません。
砂と珊環礁の土壌から成るティテイアロア島には、オーガニックな庭と菜園や果樹園が設けられ、野菜や果物などを生産します。

バナナやトマト、インゲン、きゅうり、アボカド、パンの実、ライム、キンカン、西瓜、マンゴーなど、ゲストは自然からの恵みを享受できるのです。
水は島内で再生した浄水、肥料も有機コンポジットなどが使われます。
無駄を無くした、水と廃物の再利用

周辺を南太平洋に囲まれた環礁にとって、水の使用と汚水処理は環境保全において大きな課題です。
水の使用量の75%が飲料水として求められているテティアロアにおいて、塩分除去作業をできるだけ押さえると共に、水の無駄遣いに注意しています。
汚水を浄化する革新的な灌漑システムを導入することで、水への依存を減らしてゆく方針です。

廃物に関しては、ヤシの木など植物の葉や幹などは砕いてコンポジット(有機堆肥)にし、食べ物はバクテリアを使って処理します。
再生の難しいガラスは細かくして建材に再利用します。
島内ではプラスチックとペットボトルの使用をできるだけ避けますが、廃物となったものは缶などと同様に圧縮し、他の廃物(電池、油、不可燃物など)と共にタヒチ本島の廃物処理場に送られます。
世界初の、LEEDプラチナ認証リゾートを目指す

Leadership in Energy and Environmental Design(エネルギーと環境のリーダーシップとなるデザイン)を略したLEEDは米国グリーンビルディング協会による建物のサステイナビリティを評価した認証制度です。
建築物全体の企画・設計から建築施工、運営・メンテナンスまでにわたって省エネ、環境負荷をポイントで評価します。Certified(証明済)、Silver(シルバー)、Gold(ゴールド)、Platinum(プラチナ)の格付けがあり、プラチナが一番獲得の難しい認証。
日本においても近年、ビルにLEED認証の標識が見られるようになりました。

ザ・ブランドでは、世界初のリゾートとして敷地内にある複数の新しい建物をLEEDプラチナとして認証されることを目標としています。
このため、建設の際の廃物を減らし、建設コストとCo2排出量を下げるとともに、利用者の健康によく安全な建物を目指して建設しました。

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